SGP、STPGの特徴・用途を解説!
配管に用いられる鋼管の中でも、特に身近で使用頻度が高いのが「SGP」と「STPG」です。どちらも炭素鋼を素材とするパイプですが、対応できる圧力条件や肉厚、用途には明確な違いがあります。本記事では、SGP・STPG製パイプそれぞれの特徴と主な用途、そして両者の使い分けのポイントをわかりやすく解説します。配管材料の選定にお役立てください。
SGPとSTPGとは?炭素鋼鋼管の基礎
SGP・STPGは、いずれも炭素鋼(鉄に炭素を加えた鋼)を素材とする配管用の鋼管です。鋼管は強度が高く、加工性・入手性にも優れるため、建築設備からプラント、工場のユーティリティ配管まで幅広い分野で使われています。両者の大きな違いは「対応する圧力条件」にあり、用途に応じて使い分けられます。
SGP(配管用炭素鋼鋼管)の特徴
SGPは「配管用炭素鋼鋼管(JIS G 3452)」の略称で、通称「ガス管」とも呼ばれます。使用圧力が比較的低い流体の輸送に用いられ、一般的には1.0MPa以下を目安に選定されることが多く、蒸気・水(上水道用を除く)・油・ガス・空気などの一般的な配管に幅広く採用されています。外径は10.5mm〜508.0mmまで規定されています。
白管と黒管の違い
SGPには、表面処理の有無によって白管と黒管の2種類があります。白管は内外面に亜鉛めっきを施したもので、銀白色に見え、防錆性・耐食性に優れます。黒管は表面処理を行わない黒色の管です。一般に白管は、めっき処理がある分、黒管よりも高価になる傾向があり、設置環境や流体に応じて使い分けられます。
SGPの特徴まとめ
- 比較的低い圧力(一般的な目安として〜約0MPa)の流体配管に適する
- 白管(亜鉛めっき)・黒管(無処理)から選択できる
- 入手性が高く、コストを抑えやすい
- 小口径では管用テーパねじによるねじ接続が広く用いられ、施工しやすい
SGPの主な用途
SGPは、耐圧性よりも汎用性・経済性が重視される一般配管に広く使われています。具体的には次のような用途があります。
- ビルや工場の空調・給排水・通気などの建築設備配管
- 低圧の蒸気・温水・冷却水の配管
- 油・ガス・圧縮空気などのユーティリティ配管
- 消火配管(外面被覆を施したSGP-VSなどの派生品も普及)
STPG(圧力配管用炭素鋼鋼管)の特徴
STPGは「圧力配管用炭素鋼鋼管(JIS G 3454)」の略称で、350℃程度以下で使用する圧力配管に用いられます。SGPよりも高い圧力条件で使用できるのが特徴です。ただし、JIS G 3454は「高圧配管用炭素鋼鋼管」そのものを対象とする規格ではなく、使用できる圧力は呼び径・肉厚・温度・設計条件によって異なります。より高圧の条件や、350℃を超える高温域では、JIS G 3455のSTS(高圧配管用炭素鋼鋼管)やJIS G 3456のSTPT(高温配管用炭素鋼鋼管)など、別規格の検討が必要です。
また、SGPと異なり、STPGは鉄鋼五元素(C・Si・Mn・P・S)の化学成分がJISで明確に規定されており、品質管理が厳格な点も特徴です。
STPG370とSTPG410
STPGは引張強さによって2種類に分類されます。STPG370は引張強さ370N/mm²以上、STPG410は410N/mm²以上で、一般的にはSTPG370が広く使われ、より高い強度が必要な場合にSTPG410が選定されます。
シームレス管と電縫管
製造方法には、継目のないシームレス管(S)と、帯鋼を電気抵抗溶接で成形する電縫管(E)があります。シームレス管は継目がなく丈夫ですが割高、電縫管は溶接継目がありコストを抑えやすい一方、シームレスより条件の厳しい箇所では注意が必要です。蒸気ドレンなど傷みやすい配管にはシームレスが選ばれる傾向にあります。
STPGの主な用途
STPGは、耐圧性が求められる圧力流体の配管に用いられます。代表的な用途は次の通りです。
- 350℃程度以下の蒸気配管・温水配管などの圧力配管
- 中高圧の圧縮空気配管
- プラント・工場設備における各種圧力配管
- 消火配管(連結送水管など、耐圧が求められる系統)
SGPとSTPGの違い・使い分け
SGPとSTPGは、対応する圧力条件・肉厚・品質管理などに違いがあります。下表で整理します。
| 項目 | SGP | STPG |
|---|---|---|
| 規格 | JIS G 3452 | JIS G 3454 |
| 名称 | 配管用炭素鋼鋼管 | 圧力配管用炭素鋼鋼管 |
| 使用圧力の目安 | 比較的低圧(目安として〜約1.0MPa) | SGPより高い圧力条件に対応。実使用圧力は呼び径・肉厚・温度・設計条件により異なる |
| 肉厚 | 標準肉厚 | スケジュール管(厚肉・選択可) |
| 化学成分の規定 | P・Sを規定 | C・Si・Mn・P・Sを規定 |
| 種類 | 白管・黒管 | STPG370/STPG410 |
| 主な用途 | 低圧の一般配管 | 耐圧性が求められる圧力配管 |
選定の基本は「使用圧力」です。低圧の一般配管にはSGP、SGPでは不足する圧力条件にはSTPG(スケジュール管)を選ぶのが原則です。さらに高い圧力条件や高温域では、STS(JIS G 3455)やSTPT(JIS G 3456)など別規格も含めて検討します。使用温度・流体の種類・設置環境(防錆の要否)も加味して、最適な材料を選定しましょう。
SGP・STPGの加工・ねじ接続はTPMにご相談ください
SGP・STPGといった鋼管は、口径や使用条件に応じてさまざまな方法で接続されます。小口径のSGP配管では管用テーパねじによるねじ接続が広く用いられる一方、STPGなどの圧力配管では、使用圧力・温度・口径・法規に応じて、溶接接続やフランジ接続なども選定されます。いずれの接続方法でも、ねじ部や接合部の品質が、配管全体の強度・気密性・信頼性を左右します。
TPM株式会社は、世界で初めて中空材への管用テーパ転造ねじを実用化したパイオニアです。材料を削らずに圧力で成形する転造ねじは、肉厚を維持したまま高い強度と気密性を実現でき、新幹線車両のブレーキ配管をはじめ、高い安全性が求められる分野で長年採用されています。この高強度な転造ねじを用いることで、スペースが限られた場所や小径ラインなど、従来は溶接が中心だった条件でも、ねじ接続を選択肢にできるケースがあります。SGPをはじめとする鋼管に対応し、材料調達・切断・曲げ・ねじ切り・組立までを社内一貫で行い、全数検査による品質保証体制を整えています。
「鋼管のねじ加工で強度や気密性を高めたい」「配管の接続方法を含めて最適な加工を相談したい」といった際は、ぜひTPMの転造技術にご相談ください。
まとめ
SGP(配管用炭素鋼鋼管)は比較的低圧の一般配管に、STPG(圧力配管用炭素鋼鋼管)はSGPより高い圧力条件の圧力配管に用いられる炭素鋼鋼管です。SGPは白管・黒管から選べる汎用性と経済性が、STPGはスケジュール管による厚肉設計と厳格な化学成分管理が特徴です。選定の基本は使用圧力で、SGPで不足する場合はSTPG、さらに高圧域や高温域ではSTS・STPTなど別規格も含めて、温度・流体・環境を踏まえて使い分けることが重要です。鋼管のねじ加工・配管加工でお困りの際は、転造技術に強みを持つTPM株式会社へお気軽にお問い合わせください。

